小児科・アレルギー科・小児皮膚科

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2020年9月

老年的超越     2020年9月30日

年齢と幸福度はどの様な相関関係があるのか?

 テンミニッツTVで慶応大学教授の前野隆司先生が「心から幸せになるためのメカニズム」と題する講義の中で面白いデータを示していました。年齢を横軸に幸福度を縦軸に取るとU字カーブを示すというのです。10代20代は幸福度が高く、その後徐々に下がり40から50代で最低になり、その後年齢とともにどんどん高くなります。100歳までいくととてつもなく幸福になるというのです。もちろんこれはあくまで平均値を示すものですが、非常に興味深いものです。

 高齢になって幸せになることを「老年的超越」と言う概念でせつめいすることがあります。これはスウェーデンのラーシュ・トーンストム教授が提唱した言葉です。老年的超越には次のような特徴があります。①現在と過去の境界を超越して幼年期が人生の中で再現される。②過去の世代とのつながりを感じ、死の恐怖がなくなっていく。③ささやかなことから悦びを感じる。④利己主義から利他主義に移行する。⑤表面的な付き合いに興味がなくなり、孤高の時間を過ごすことが多くなる。⑥欲が少なくなり、必要以上なものを求めなくなる。

 老年的超越の境地にすべての人が達するわけではないようですが、かなりの割合で達する状態だとトーンストム教授は述べています。「朝ごはんと梅干だけ食べられればもう幸せだよ」と感じられたり、孫の顔を3か月に一度見ただけで「ああ、大きくなったね」と言って幸せに感じられるようになるのです。幼年時代に戻った気持ちになって無邪気になり過ぎていると、周囲からはボケているように感じられるかもしれませんが、本人はとても幸せを感じられるようになるようです。

 「方丈記」には鴨長明が方丈(約3メートル四方)の部屋で世俗のわずらわしさから距離を取り、和歌や音楽を友として思いのままに時間を過ごしている様子が書かれています。これも「老年的超越」の境地と言っていいのかと思います。

 前野教授は、日本が超高齢化社会になると非常に幸せな人が増えるので心配ないと述べています。ただしある程度以上の健康を保つ必要はありそうです。健康には配慮しながら、できれば90歳いや100歳以上生きて「老年的超越」の境地に達してから、旅立ちたいものだと思います。

2020年8月

父の思い出    2020年8月28日

先日父が亡くなりました。88歳でした。10数年前から肺がんを患っており、寛解と再発を繰り返していました。

 父は現在はロシア領となっている樺太で生まれました。6人兄弟の長男で、弟一人と妹が4人います。終戦前に山口県岩国市に移り、その後はずっと岩国を離れることがありませんでした。

 家が貧しく、中学の時の成績は学年で一番良かったにもかかわらず、高校に進学させてもらえませんでした。父は生涯このことを悔やんでいました。中学卒業後は材木屋の丁稚、20歳の時に製紙会社に就職し定年まで在籍していました。

 当時にしては珍しく恋愛結婚で、母とはダンスホールで知り合いました。モテていたそうです。その後、私と弟が生まれました。父は私に勉強の楽しさを教えてくれました。全21巻の学習百科事典と全100冊の世界の名作集を厳しい経済状態の中で揃えてくれたのです。私は小学4年生のころから学習百科事典を読むことが好きになり、その大半を小学生の間に読んだ記憶があります。父と社会的な問題を議論することもしばしばで、その習慣はつい最近まで続いていました。

 父は私の一番の理解者でした。大学の文学部を受験した時も、黙って医学部を受験した時にも「そうか」と言って認めてくれました。大学在学中は裕福でない家計の中からたくさん仕送りをしてもらい、私の好きなことを思い切りやらせてもらいました。

 父の性格は頑固な一面と社交的なところが程よくミックスされていました。物事をきちっと計画してその通りにしないと気が済まなかったり、物の位置が少しでも歪んでいると直さずにはおれませんでした。また、初対面の人にも自分から話しかけ、その場の雰囲気をやわらげるムードメーカーの一面もありました。また、母との仲が良く、一緒にドライブに出かけることがしばしばでした。

 60で定年退職して、その後はグランドゴルフを一番の楽しみにしていました。自分がいかにグランドゴルフがうまいかをよく話してくれ、日本記録(非公認)をつくったことを自慢していました。

 亡くなる1か月前に緩和病棟に自分の希望で入院しましたが、その直前には「俺の人生は本当に幸せだった。お前たちのおかげだ。ありがとう」と繰り返し言ってくれました。私たち息子や孫たちのことがとても自慢だったようです。その時にはすぐに亡くなるとは思えない体調でしたが、本人は死期がわかっていたようです。

 「俺ぐらい人に親切にして、まじめに生きてきた人間はいない」と自画自賛していましたから、きっと極楽に行っているものと思います。私も最後まで親孝行ができたことを誇りに思っています。

2020年7月

メンタルローテーション    2020年7月31日

 自閉症スペクトラムの特性を持った人は、相手がどう考えているのか理解することが苦手です。サリーとアンのテストなどの「人の心を読むテスト」が5歳以降でもできないことがあります。また一部のASDの幼児は逆さバイバイをしばらくの間することがあり、相手からの視点からどう見えるかがわかりにくいのです。

 メンタルローテーションは頭の中で物体をくるりと回転させる能力です。ヒトでは生後3か月ごろからこの能力が芽生え始め、サルや鳥もこの能力を持っています。ヒトではメンタルローテーションの能力を対人関係にも応用して、相手の立場に立つ視点を獲得するようになりました。相手の考えや感情を理解することで、他人に対して親切にする行動が生まれます。また、視点を変更して自分を客観的にみることで、自分の長所や短所を知り改善していくこともできます。自閉症スペクトラムの特性を持った人は、メンタルローテーションが苦手な傾向が強いと思われます。

 メンタルローテンションは努力で鍛えることができます。この能力の本質は「身体運動」なので練習を繰り返すことで少しずつできるようになるのです。スポーツやジャグリング、テレビゲームなどでメンタルローテーションの能力が向上したとの研究もあります。また、池谷裕二教授の「メンタルローテーション 回転脳をつくる」(扶桑社 2019)に載っている図形などを頭で回転させる問題をやることでメンタルローテーションを鍛えることができます。私も問題に取り組みましたが、なかなか頭の中で回転させるのに苦労しています。

 現時点でメンタルローテーションを鍛えることで、自閉症スペクトラムの特性を持つ人の社会性やコミュニケーション能力を改善したというデータはありません。しかし、楽しみながらメンタルローテーションを鍛えることは損ではないように思います。

 

2020年6月

スマホと読書と学力の関係   2020年6月28日

 「脳トレ」で有名な脳科学者の東北大学教授の川島隆太先生のグループが、スマホ使用と読書時間と学力の関係についての調査研究を発表されています。 

 「スマホが学力を破壊する」(集英社  2018)は小中学生7万人の追跡調査結果を示しす。その調査結果からはスマホを持つようになると成績は低下し、使わなくなると成績が回復することが示されています。その原因はスマホをやり過ぎて自宅学習が低下したり睡眠不足になることではありません。特に、スマホを4時間以上使用すると、2時間分の学習効果が消えることがデータから裏付けられています。つまり、スマホを使用すること自体が学力を低下させるのです。しかし、スマホの使用が1日1時間以内では学力に影響はないようなので、1日1時間以上のスマホの使用が問題です。

 中学生になるとクラスのLINEグループができて、スマホデビューをせざるを得ないことも多く持たないと仲間外れになる危険もあります。親がスマホについてある程度の知識を持ち、管理する必要があるでしょう。

 「本の読み方で学力は決まる」(青春出版 2018)も数万人規模の子どもたちの調査研究から以下の結論を導き出しています。幼児期の読み聞かせをすることで、小学校の国語の成績が上がります。また読書の習慣で読解力が上がり、脳神経回路が強化されます。また、小学生は勉強を2時間やるより、勉強1時間+読書1時間の方が学力をつけるには優れていると著者たちは述べています。「最初は結末がどうなるかわからないハッピーエンドの物語を読むとポジティブ思考になりやすい」という論文も紹介されていてとても興味深かったです。 

読書好きの私としてはとても納得のいく結論です。読書が子どもたちの脳にどのような影響を与えるのか、研究がさらに進むことを期待しています。

2020年5月

小児の新型コロナウイルス感染症   2020年5月29日

 小児科学会からこれまでの国内外からの報告をまとめた「小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状」についてのまとめが発表されました。主な内容は以下の通りです。

(1)新型コロナウイルス感染症の患者の中で小児が占める割合は少なく、そのほとんどは家族内感染である。(2)現時点では、学校や保育所におけるクラスター感染はないか、あるとしても極めてまれである。(3)小児では成人と比べて軽症で、死亡例もほとんどない。(4)ほとんどの小児の患者は経過観察または対症療法で十分とされる。(5)学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆に医療従事者が仕事を休まざるを得なくなるために、新型コロナウイルス感染症の死亡率を高める可能性が推定される。(6)教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしており、小児に関しては感染自体ではなく、関連健康被害の方が問題と思われる。

 インフルエンザウイルス感染に関しては、流行時に学校や保育施設の閉鎖は社会的な流行を抑えるために有効と考えられています。そのために、新型コロナウイルス感染症の特徴がよく分かっていない時点での休校は致し方なかったでしょう。しかし、今後必ずやってくる第二波、第三波の際には安易に学校や保育施設の閉鎖をしないようにしてほしいものです。また、学校などでのクラスター発生がほとんどないことを考えると、学校などで必要以上にソーシャルディスタンスをとることにも疑問を感じます。生徒たちの健全な学校生活を脅かすことには慎重になるべきです。

 新型コロナウイルス感染症を完全になくすことは基本的にできません。常に「対策の利点と危険性」を天秤にかけて、つり合いがとれるようにする必要があります。特にマスコミは、目の前にある危険を重視しすぎて、直接目につかない危険性を無視する傾向があります。新型コロナウイルス感染症については、直接目につかない危険性としては経済悪化による失業やその結果の貧困・自殺や、子どもたちの身体的及び精神的な健康被害でしょう。例えば、子宮頸がんワクチンのように副作用のことばかりが報道されて、その有効性が無視されている現状が日本にはあります。

 特に10代、20代の若者は罹患してもほとんどは軽症もしくは無症状です。活発に社会的活動することは彼らの権利です。その若者の活動を制限するのは彼ら自身のためではなく、主として高齢者のためです。そのことを念頭において、自粛してもらうことに感謝する必要があるように感じています。インターハイや甲子園大会を中止にしてしまったことを本当に申し訳なく思います。

2020年4月

テンミニッツTV                         2020年4月29日

 最近「テンミニッツTV」が気に入っています。東大の教授などの有識者が様々なテーマを10分前後で講義をするインターネットのコンテンツです。実際には1時間以上の講義も10分毎に刻んであるのでちょっとした空き時間に見ることができます。

 テーマは政治、経済・金融、国際、科学技術、歴史・民族、文化・芸術、哲学・思想などあらゆる分野が含まれています。

 これまでに50以上の講義を聴きました。その中でいくつか興味深かったり面白かった講義を挙げてみます。

 慶応大学の片山教授の「クラシックで学ぶ世界史」は、「音楽ほど、当時の社会状況や人々の欲望、時代のニーズの影響をダイレクトに受ける文化ジャンルも少ない」ことを、バッハ、ヘンデル、モーツァルト、ベートーヴェン、ワーグナーなどの有名な音楽家の例を示して教えてくれています。特に、「ワーグナーのオペラが帝国を作った」という主張には説得力がありました。

 東大の磯貝教授の「セルロースナノファイバー」はこれまで全く知らなかった分野でした。植物由来のセルロースから「鉄の5倍硬く、5分の1の重さ」という夢の素材「セルロースナノファイバー」を作り出す技術が日本で最も進んでいることを初めて知りました。科学技術的なところは理解できませんでしたが、日本のスギやヒノキから「セルロースナノファイバー」を効率的に大量に作ることができれば、様々な分野に応用され環境問題も一挙に解決できるという夢のある話は聴いていて心地よいものです。

 東京都立大学理事長の島田先生のイスラエルの話は、イスラエルが「世界最強のスタートアップ・ネーション」である理由と日本との関係についてでした。イスラエルは常に緊張感のある国際情勢とユダヤ人独特の教育などから「0から1を作る」ことが世界で最も得意な国だと紹介しています。一方、日本は「0から1を作る」ことは苦手だが、集団の力で「1から100を作る」ことは得意です。イスラエルは「1から100を作る」ことが苦手なので、日本とイスラエルが協力すれば素晴らしい成果が挙げられ、国際的にはアウトサイダーの両国の評価が上がるだろうと話されています。アメリカ留学時に同僚のユダヤ人の優秀さを目の当たりにした私としてはとても納得のいく内容でした。

これら以外にも「因果関係の哲学」「中東の歴史」「サピエンス全史とホモ・デウス」など面白い講義がたくさんありました。新型コロナウイルスによる外出規制が続く中、頭の中だけでも広い世界を見ていきたいものです。なるべくストレスを最小限にしてウイルスに打ち勝ちたいものです。

 

2020年3月

新型コロナウイルスとBCG             2020年3月31日

新型コロナウイルスの感染が世界で広がっています。世界の感染状況を知りたくてイギリス国営放送のBBCとそのホームページをチェックするのが日課になりました。

 日本の感染も増加して警戒が必要な状態ですが、諸外国に比較すると日本は不思議なほど感染拡大がないようです。感染者数は検査数によるので、感染状況の指標としてあてになりません。新型コロナウイルスによる人口当たりの死亡者数が感染の広がりをもっとも反映していると考えています(医療崩壊の影響ももちろんありますが)。

 人口100万人当たりの新型コロナウイルスによる死亡者数を見ると、日本は0.4人です(ダイヤモンドプリンセス号の感染者は除く)。一方、イタリアは195人、スペインは158人、フランスは47人と日本の100倍以上の頻度です。比較的感染対策がうまくいっていると言われるドイツも6.8人と日本の10倍以上の頻度になっています。中国は2.3人、韓国は3.1人とヨーロッパ諸国と比較すると少なくなっています(人口は2018年のWHO報告、死亡数はBBCのHPの3月30日から引用)。

 この違いの理由としては、社会的な習慣やマスク着用、ウイルスの型の違いなども挙げられていますが、BCG接種との関連が現時点で最も説得力のある説明のように思われます(東北大学大隅典子教授のブログ https://blogos.com/outline/446483/

 まず、疫学的にBCG接種状況と死亡率の相関関係が指摘されています。日本では基本的に1951年以降生まれの人には接種されていますが、イタリアやアメリカはBCGの普遍的な接種プログラムがありません。またスペイン、フランス、ドイツなどはBCG接種が推奨されていません。スペインの隣のポルトガルは日本と同じく定期接種されており、100万人当たりの死亡数は13.5人とスペインの10分の1になっています。また、BCG株の種類による違いもあるようです(日本株とロシア株が有効)。

 もし新型コロナウイルス感染の予防効果があるとすると、そのメカニズムはどのようなものでしょう。一般的にBCGの効果は10数年だと言われており、小児以外では効果がなく感染拡大を防ぐことはできないように思われます。しかし、オランダのグループの研究ではBCG接種によりエピジェネティックに免疫状態を変化させ、長期的にウイルス感染を抑制する可能性があるようです。実際にオランダやオーストラリアなどで医療従事者に対してBCG接種を行って新型コロナウイルス感染を予防する研究が始まったようです。

 日本ではBCG接種を多くの人が受けていることで、ウイルスの増殖が抑えられ症状が出にくい、また感染させにくい状態になっている可能性はあります。日本人の手洗い、マスク着用などの習慣とも相まって現在の状態を保っているのかも知れません。

 暗いニュースが多い中で、何とか日本がうまくいくストーリーを考えると、このBCG接種との関係を信じたくなります。有効なワクチンができるまでは我慢が必要だと思いますが、経済的な問題と折り合いをつけながらうまく乗り越えていくことを強く期待しています。

2020年2月

筋トレはこの世の問題の99%を解決する 2020年2月5日

 8年前に病気で手術をした時に「健康のために筋トレを始めよう」と思い立ち、それ以来週1の筋トレを継続しています。

 もともとランニングや基礎トレーニングが大嫌いだったので、パーソナルトレーナーについてもらい嫌でも続けられるようなシステムにしています。毎回始める時には若干憂鬱になりますが、筋トレをやり終えると充実感を感じて終わることができています。筋トレの成果としては、特に上半身に筋肉がつき、肩幅が広くなり胸板が厚くなったように感じています。筋トレ以外では週1の卓球以外には身体を動かすことが少ないので、体力維持のために筋トレは欠かせないと思っています。

 そんな私の筋トレのモチベーションを上げてくれる本が見つかりました。「超 筋トレが最強のソリュージョンである」(文響社 2018)です。 

 この本の結論は簡単です。

 モテたいなら「筋トレ」。健康になりたいのなら「筋トレ」。アンチエイジングには「筋トレ」。長生きしたいなら「筋トレ」。仕事ができるようになるためには「筋トレ」。ダイエットするなら「筋トレ」。メンタルヘルスのためには「筋トレ」。この世の問題の99%は筋トレで解決できる。筋トレ至上主義です。

 この本には筋トレの効果の科学的な根拠も書いてあります。筋トレをするとテストステロンが分泌されてやる気や闘争心が向上し、セロトニンの分泌で心を落ち着かせる効果があります。不安感、慢性疼痛、認知機能低下、睡眠の質の低下、自尊心の低下に対してポジティブな効果があるという研究が多くあります。また新陳代謝を促進して肌が若返り、筋力低下によるサルコペニアを予防できます。週に2回以上筋トレをしてる人はそうでない人よりもガンに関連する死亡率が約30%低いという研究もあります。

 その他にもこの本には、筋トレをやりたくなる迷言?が満載です。

 「タンクトップ着て筋肉アピールしてんじゃねーよ」と思うかもしれないが、(中略)「おっさんに見せるためにミニスカ履いているわけじゃない」という女子高生と同じです。今後は女子高生だと思って温かい目で見守ってください。

 筋トレ→良い体GET→自分を好きに→筋力UP→自信がつく→異性に積極的にアプローチ→モテる→さらなる自信→様々なことに挑戦→圧倒的成長→自尊心高まる→性格がポジティブに→ポジティブな人が周囲に集まる→人生最高

 何はともあれ筋トレのモチベーションUPにはお勧めの本です。元気が出ます。 

2020年1月

「高慢と偏見」  2020年1月13日

ジェイン・オースティンの古典的名著の「高慢と偏見」を初めて読みました。オースティンは十九世紀初頭に活躍した英国の女性作家で、「高慢と偏見」のほかに「エマ」も有名な小説です。

 元文学部としては当然読んでいなければいけない有名な小説でしたが、「高慢と偏見」という題名に騙されて、あまりおもしろくなさそうに感じて避けていました。しかし、Eテレの「100分で名著」で紹介されて興味を持ち、読んでみました。

 面白かったです。

 ストーリーは、5人姉妹の次女のエリザベスが大富豪のダーシーといろいろありながらも最後は結ばれるというありがちなものです。しかし、延々と続く会話で様々な人物像を表現しているところが、古典的名著と言われる所以なのでしょう。エリザベスの偏見とダーシーの高慢はいずれもかわいらしいものです。この二人がすれ違いから結婚に至るまでの心理描写は見事で、ロマンス小説の王道と言われるのもうなずけます。一方でエリザベスの末の妹リディアや母親のベネット夫人、ミスター・コリンズの俗物ぶりは容赦なく描かれており、ある意味痛快です。いい人と悪い人を明確に書き分けている作者のオースティンが一番偏見が強いのかもしれません。

 私は中学高校時代に父が買ってくれた世界の名作100冊セットを読んだのが、読書好きになるきっかけでした。シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」や武者小路実篤の「若き日の思い出」といった恋愛小説が好きで何度も何度も読み返していました。数十年ぶりに読み返してみたいものです。

 考えてみるとまだ読んでいない面白そうな古典的小説は結構あります。トルストイの「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」やドストエフスキーの「悪霊」をはじめ多くの名作を読んでいないことに気づきます。残りの限られた人生(20年以上生きるつもりですが)でどれだけ読めるのか、吟味して読んでいきたいものです。

歴史は面白い  2020年1月3日

 昔から歴史が大好きでした。受験でも世界史と日本史が一番得意で、歴史を専門にするつもりで京都大学文学部に入学しました。

 しかし、中退して医学部に入学したため歴史の勉強はそのままになっていました。入学時には東洋史、特に中国史に関心がありましたが、その関連の本をあまり読んでいませんでした。

 京都大学文学部名誉教授の杉山正明先生の「遊牧民から見た世界史」はとても面白い本でした。中央ユーラシアの遊牧民がいかに大きい影響を世界史に与えたかを説得力のある語り口で伝えてくれています。高校の授業で教えてもらった匈奴やモンゴル人は野蛮人で文明の高い漢民族から収奪する印象でした。しかし、どうも本当のところは違っていたようです。

 遊牧民の方が文明度が低いというのは現在から見た視点で、歴史の上では遊牧民と農耕民の間の交流により様々な文明が発生したようです。また、遊牧民は広いユーラシア大陸の東西をつなぐ役割を果たし、商売にたけている民族も多かったのです。

 私が一番興味を持ったのは「モンゴル帝国」です。これまでのイメージは圧倒的な武力で世界帝国を築き上げた文明度の低い帝国でした。しかし、そうではなかったようです。むしろ世界を商業でつなぎ、様々な宗教や民族にも寛容な世界帝国だったことが様々な研究から実証されています。とても残虐だったという逸話も多く残っているようですが、実際には戦わずして勝つことが多く、また元寇のように実際に戦って負けることも多かったのです。今年は、杉山先生の「モンゴル帝国」についてのほかの著書を読んでいこうと思っています。

 今年もおせち料理講座のおせちでお正月を迎えました。

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